穂積 社長はこちらで事業を始められる前、海外で仕事をされていたそうですが。
大城 平成7年に大手設計事務所がODAを支援する目的で発足したプロジェクトに参加したことがあります。行き先はアフリカ、ラオス、インドネシア、シンガポール、フィリピンなどで、現地では公共工事の設計業務などに携わっていました。例えばインドネシアでは大学校舎の設計や農村開発に従事し、33万ヘクタールもの広大な土地に段々畑や砂防ダムを造る計画があるということで、設計のコーディネートを任されていたんです。
穂積 貴重な経験をされたのですね。現地での仕事はいかがでしたか。
大城 万全なプランを構築しないところには驚きました。日本で大規模な建設プロジェクトに入る場合は、いくつものプロセスを組み、きちんとした準備をしておく必要があります。ところが発展途上国にはそのようなプロセスはない。苦労を重ねましたが、そうした経験が自らのワークスタイル確立に役立ちました。
穂積 具体的にお聞かせ下さい。
大城 仕事の目標というのは全体像を把握しない限り見えてきません。プロジェクトに入るにあたって、まずは最終的な形を予測してプロセスを構築し、そこから不要な部分を切り捨てていく。権限の委譲が可能な部分については部下に任せ、自分は広域的な考え方でゴールを見据える。それが私のワークスタイルであり、現在の業務にも多分に活かされています。
穂積 今日までには大規模な仕事もたくさん受けられたそうですが。
大城 5年前にはマニラ国際空港の仕事に携わりましたし、国内では病院、映画館や発電所など大型プロジェクトに携わった実績があります。
穂積 御社の特長は何でしょう。
大城 発注先から信頼を得ている点だと自負しています。ですから、当社では特に営業活動を行わなくとも仕事の依頼があるんです。実績こそが仕事に結び付くのではないでしょうか。人並み以上に努力し長い下積み期間を経たからこそ、今の自分があると思っています。現在では、地域の公共工事もスムーズに受注できるんですよ。
穂積 人材教育にも傾注されているとか。
大城 コンピュータと英語の習得は絶対不可欠であると思っています。それも長い時間をかけて確実に習得してほしい。「努力に勝る天才なし」で、地道に頑張っていれば必ず芽は出ると思っています。今後は、既存の事業を安定させ、地域の皆さんのお役に立てる活動を行っていきたいですね。そして、いつかは世界中の貧しい子どもたちを救う仕事をしたいと考えております。
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